経済産業省はこのほど、中小規模の製造事業者を対象に、工場のサイバーセキュリティ対策を支援するための解説書「工場セキュリティの重要性と始め方」を策定した。これは、2022年に公表された「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」の補足資料として位置づけられ、特に経営層や工場のセキュリティ担当者が初動として取り組むべき具体的な手順や事例を提示している。
近年、工場のIoT化やスマート化が進展する中で、ネットワーク接続の増加に伴いサイバー攻撃のリスクも高まっている。特に中小企業においては、限られたリソースや専門知識の不足から、セキュリティ対策が後手に回る傾向がある。このような状況を踏まえ、解説書では、工場がサイバー攻撃を受けた際の影響や被害事例を紹介し、コストをかけずに実施可能なセキュリティ対策について解説している。構成は、経営層向けと実務担当者向けに分かれており、経営層には工場セキュリティの重要性とその取組の始め方を説明し、実務担当者には具体的な対策の実施例や手順を示して
いる。これにより、企業全体でセキュリティ意識を高め、組織的な対策を推進することが期待されている。同省は関連団体と連携し、本解説書の普及活動を進める予定。
■参考:経済産業省|中小規模の製造事業者向けに工場のセキュリティを確保するための具体的な手順や事例を紹介する解説書を策定しました|
https://www.meti.go.jp/press/2025/04/20250411005/20250411005.html